第二新卒の転職事情

どこの会社であれ、せっかく従業員を採用した以上は、一日でも長く勤めて欲しいもの。すぐに退職してしまうような人物であれば、最初からお断りと行きたいところです。その意味で、昔からずっと冷遇されていたのが、いわゆる「第二新卒」の人たちです。大学を卒業して就職したものの、3年も経たずに辞めてしまった25歳前後の人たちのことを言いますが、さして技術も経験も身についてはいない上に、「第二新卒=こらえ性のない若者」というレッテルまで貼られ、新卒者よりも不利な取扱を受けてきました。
ところが最近、第二新卒の転職市場が見直されてきています。実のところ、日本では新卒者が3年未満で退職する割合、つまりは離職率は約30%という統計が出ているのですが、そんな多くの若者たちの中にも、安易な就職活動や意に沿わない会社への入社など、新卒時の反省を糧にして、今度こそはと意欲に燃えている優秀な者たちがたくさんいるからです。その上、彼あるいは彼女たちは短い間とはいえ、前の会社でそれなりの社員教育を受け、社会人としてのマナーも身に付けています。
また、新卒とは違い、会社側にとってはいつでも採用できるというメリットもあるのです。もちろん大手の企業に関しては、まだまだ第二新卒者を採用していないところも多数ありますが、その一方では、数十人単位で、一度に採用するような企業も出てきています。ですから昔とは違い、もしあなたが第二新卒であっても、そのことに引け目を感じる必要はありません。少子化が進む中、離職率30%の若者たちをどう活用するか。それは企業にとっても大きな課題となっているのです。